長期に亘り、20数軒以上の歯科医院を訪れ、ネットで検索して当院に来られました。
患者は相当に疲れているようで、何とか本日中に全てを・・・・と考え、全力で臨みました。
下顎は、特に右側のブリッジは引っ張れば抜けそうな状況でしたが、患者の希望を重視して抜かずに残しました。
最近、やり始めたミラクル饅頭の処置を上に1か所、下4か所に行い、一応、お帰り頂く際には、ぐらぐらの状態が全てしっかりと固定された状態にまでになりました。
このミラクル饅頭という手法を行った上で、いわゆる固定をされれば、歯牙を傷める事が少なく、また長期に維持、機能し、実に妙案である事を、実践したミラクル会員の多くからの納得、称賛で裏付けられています。
出来上がりは予想通り素晴らしく、私自身がどこが義歯の人工歯で、患者の歯牙がどれかといった判別不可と思われるぐらいに、上手く出来上がりました。
装着された義歯の自然さこそ、ミラクルそのものであると確信させてくれました。
この“その日ミラクル”は実にやりがいはありますが、失敗が許されない。
限られた時間の中で、全てをやりつくさねばならない。
つまり、
1)・・・患者の希望、訴えを理解し切る
2)・・・その作製、装着までの全課程を走馬灯の如く、読み切る。
3)・・・出来上がった義歯が、如何にスムーズに脱着されるか(設計等)を追求し切る。
これら3つの事がなされなければ、不可である。
もちろん患者は最高の喜びを得る事が出来る。
術者にとってはやりがい、行きがいもありますが、体力、精神力、中でも集中力が要求される。
15時20分から19時30分までの約4時間の価値ある闘いとなり、途中ミラクルラボテクニシャンSの80分間での作製も、大きな不幸と幸せが絡み合った、しかし振り返れば喜びの多い能力を発揮するテクニシャンSの人生の一コマであったと推察しています。
患者には、暫く休憩をして頂き、また次に下顎のことも考えていけば、これまで味わったどうしようもなく落ち着かない状況から、脱皮出来ると確信して一応終了としました。 |