この患者はミラクル・メタルプレート(白金加金金属床)を装着してから3年間来なかった。
他院にも訪れていない。
3年ぶりにレントゲン写真を撮ってみた。
3年前の写真と今回の写真が入れ替わっているのではないか、と思われた。
ブリッジで連結されている方が古い方で、でない方が新しい。
などと考えなければならないほど、3年後の方が歯牙を覆っている骨の具合にしても良好である。
この時、改めて確信した。
それはミラクルを入れた事により、経年変化で歯牙を覆う骨の衰えが感じられない事だ。
大抵の義歯では、この患者さんのような歯牙の残存状態では、当然のごとく骨が衰えていく。
それが、至極当たり前と考えられている。
しかし、このレントゲン写真ではむしろ骨の増殖さえ確信させるような像を示している。
これがミラクルの真実であり、すべてである。
故に、ミラクルは歯牙を事実、保護している事になる。
世界中で、他にこのような義歯があるとすれば、私は飛んで行ってその義歯の全てを勉強するであろう。
恐らく、世界中を探しても無いと思われる。
ミラクルデンチャーはそうした意味合いで、他の義歯の追随を許さず、他に類を見ない義歯であると言え、なおかつ不適応も無い。
ミラクルは完璧の世界にある。
それぞれの患者の満点を追及できるテクニックのほとんどはすでに確立している。
それらを出来る限り、講習会などで開示してきた。
会員達は、講習会で聞いたことを素直に受け入れ、患者にそのテクニックを施した時、その患者の喜ぶ声を聞いて、初めてミラクルの全てを確信するに至ることが多いようである。
ミラクルは嘘の無い世界にある。
歯科界における未曾有の出来事が9年前に生じ、ミラクルデンチャー、ミラクルフィット、ミラクルフィット3、ミラクルU、ミラクルVと展開し、着実に発展している。
つまらない、いやもっと良いモノがあるぞとなれば、その日、その時に過去を消滅させ、それに代わる最良のモノへの追及へと言った姿勢で全てに対して臨んできた。
ミラクルラボのテクニシャン達には、全国の会員の先生方の事を考えてミラクルを作製するのは当たり前であるが、自分の嫁さんや子供たちには、また両親には、どうするだろうかと言った事を考え、その先の患者の事を想い、作製するように散々指導してきた。
テクニシャン達がどれほど忙しくても、その作製した義歯の結果がどうなったのかと言う事を知らしめるために、その患者の治療中には必ず、診療室へ呼び、その実態を見せ、患者の望むのはコレとアレであると教えてきた。
歯科界では、ラボを持っている歯科医院を除けば、テクニシャンは診療室に滅多に顔を出さない。
それが常識となっている。
診療室に入る事さえ不自然な、何か習慣めいたものがある。
歯科医師の助けになっていないなどと、決して述べているのではない。
患者と接触せずして、作製しているものは単なる工作でしかないのではと論じているのだ。
つまりは、患者が何を望み、何を欲しているのかを認識すらしていない状況には呆れ果てる。
こうした体制を、どうして改善しないのか?
歯科医師会は? 厚労省は?
摩訶不思議である。
患者に接触せずして、患者の希望する義歯など作製できるものではない。
今後における大きな重要課題である。
もし診療室にテクニシャン達が入るのは当然と言った状況にでもなれば、彼らテクニシャン達の技工物作製の意欲も生き生きと相当にあふれ出るに違いないと考える。
歯科医師の自己満足、テクニシャンの自己満足・・・・
これでは全く様になっていない。
患者の満足が得られなければ、意味が無いのである。
こうした患者不在の診療がなされている実態について、その理由などは重々分かる。
しかし、しかし、しかしである。
“患者さま”とあちこちの医院のホームページで、患者を大事にし、丁寧な言葉では述べられているが、実体は全く気持ちが無い事を物語っていると言うことになる。
実にお粗末、嘆かわしい歯科界の事情である。 |